APNとは?IOWNと三大通信事業者の動向を整理

APNとは?IOWNと三大通信事業者の動向を整理

次世代ネットワークとして注目されているIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)と、その中核技術であるAPN(All-Photonics Network)。

本記事では、日本の主要通信事業者であるNTT・KDDI・ソフトバンクの取り組みと、最新の動向をもとに整理します。

APN(All-Photonics Network)とは

APN(All-Photonics Network)は、ネットワークから端末まで光ベースで構成し、低消費電力・大容量・低遅延・高品質な通信を実現することを目的としたネットワーク技術です。

従来のWDM(波長分割多重)などを用いたネットワークでは、経路上のルーターなどで光信号を電気信号に変換(光電変換)する処理が必要でしたが、APNではこの光電変換を可能な限り排除し、エンドツーエンドを光の波長のまま伝送する構成が採られます。

NTTはIOWN構想の中でAPNを中核技術として位置づけ、いち早く商用化を進めています。ソフトバンクも「All optical network (AON)」として次世代インフラの構築を進めており、KDDIもAPNの相互接続に向けた研究を行うなど、各社が次世代のオール光ネットワークへ向けたアプローチを加速させています。

NTTグループの取り組み

NTTグループでは、IOWN構想を牽引し、各社でAPN商用サービスや研究開発が展開されています。

サービス提供(NTTドコモビジネス[旧 NTTコミュニケーションズ])

  • APN専用線プラン powered by IOWN

データセンター間接続などを対象とし、光波長を専有する大容量・超低遅延なサービスが提供されています。

地域向けサービス(NTT東日本・NTT西日本)

  • APN IOWN1.0

東西会社において、通信波長を専有し、遅延のゆらぎを限りなくゼロに近づけた専用線サービスが共通して提供されています。

研究開発(NTT研究所)

NTTの研究所では、IOWNおよびAPNに関する基盤技術の研究開発が行われています。

光電融合デバイスや次世代ネットワークアーキテクチャの開発が強力に進められています。

KDDIの取り組み

  • APN相互接続(フェデレーション)に向けた研究開発

KDDIは、NTTが主導する「IOWN Global Forum」のボードメンバーとして次世代通信網の標準化に深く関与しています。

単独での回線提供にとどまらず、NTTなど複数事業者のAPNをシームレスに相互接続する共通基盤技術の研究開発を進めており、社会実装に向けた動きを活発化させています。

ソフトバンクの取り組み

  • All optical network (AON)の推進

ソフトバンクでは、IP技術と光技術を融合した次世代インフラとしてAONの構築を推進しています。

IPルーターに直接光通信機能を持たせる技術(IP over DWDM)などを活用し、光電変換機器を大幅に削減することで、コアネットワークやメトロネットワークにおける圧倒的な省電力化を図っています。

三社のサービス内容の違い

各社とも光電変換を排除する次世代ネットワークを見据えていますが、現在のアプローチや展開状況には違いがあります。

  • NTT:IOWN構想のもと、「APN IOWN1.0」等として次世代光通信サービスをいち早く商用化・体系化して提供
  • KDDI:IOWN Global Forumに参画し、複数事業者のAPNを相互接続するための共通基盤技術の研究開発を牽引
  • ソフトバンク:自社網のIP層と光層を融合した「All optical network (AON)」を推進し、自社ネットワークインフラの高度化・省電力化を展開

まとめ

APNをはじめとする次世代オール光ネットワークは、光電変換のボトルネックを解消し、超低遅延・超低消費電力を実現する画期的なアーキテクチャです。

NTTはAPNとしてサービス体系を整理して先行展開しており、ソフトバンクはAONによる自社網の進化、KDDIはAPNの相互接続基盤の確立と、それぞれのアプローチで次世代通信網の実用化を進めています。

各社で名称や重点領域に違いはあるものの、従来の電気処理に依存したネットワークから、光レイヤを最大限に活用した次世代ネットワークへの移行という方向性は共通しています。

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